みなさんはクレソンという野菜を知っていますでしょうか。

サラダや料理の付け合わせとして見ることの多いクレソンですが、実はこのクレソンも青汁の材料として使われることが多いのです。

今回はクレソンについて詳しく見ていきましょう。

 

クレソンってどんな野菜?

「クレソン」というのはフランス語の呼び方であり、英語では「ウォータークレス」、和名では「オランダがらし」と呼ばれています。

もともとは中部ヨーロッパが原産地の野菜でしたが、今は帰化植物として世界各地で野生化しています。日本には明治時代の初期に外国人宣教師によって広められたと言われています。

アブラナ科の多年草で水辺を好む植物ですが、繁殖力がとてつもなく高い植物でもあります。放っておくと増えすぎてまわりの生態系のバランスを脅かすほどとされていて、その強靭な繁殖力から『要注意外来生物』に指定されているほどです。

からしという名がつく通り、生で食べるとピリッとした辛みが感じられるのが特徴的です。またパクチーやバジルなどと同様、香草の一種であり香りが豊かなため料理の付け合わせなどに広く使われています。

2014年6月5日にアメリカ、ニュージャージー州ウィリアム・パターソン大学のCDC(アメリカ疾病予防管理センター)が発表した『栄養素の高い野菜&果物TOP41』でクレソンは見事、第1位に輝きました。慢性の疾患を予防することを考えた時に特に必要と考えられる必須栄養素17種類をもとに、各野菜や果物を調査しスコア化した結果、なんとクレソンは100点の評価でした。

ちなみに2位以下はチンゲンサイや白菜などで91.99点、3位はフダンソウ(スイスチャード)で89.27点、4位はビーツの葉で87.08点、5位はほうれん草で86.43点と続きます。評価基準となった栄養素は「たんぱく質」「食物繊維」「カリウム」「カルシウム」「鉄」「亜鉛」「葉酸」「ビタミンA」「ビタミンB1(チアミン)」「ビタミンB2(リポフラミン)」「ビタミンB3(ナイアシン)」「ビタミンB6」「ビタミンB12」ビタミンC」「ビタミンD」「ビタミンE」「ビタミンK」の合計17種類です。

 

クレソンに含まれる栄養素とその働き

クレソンに栄養が豊富に含まれていることは分かりましたが、それぞれの栄養素にはどのような働き・効果があるのでしょうか。

効果の重複する栄養素は一部除外し、抜粋してご紹介していきます。

 

タンパク質

私たちの身体をつくるうえで欠かせない三大栄養素のうちの1つです。

たんぱく質は20種類のアミノ酸から主に構成されていて、身体の細胞、皮膚や筋肉、内臓、爪、髪の毛などのもとになります。

タンパク質は私たちの体重のおよそ1/5を占めていると言われています。体重の1/5を占めているタンパク質が不足することが大きな問題になるのは容易に想像できますね。

 

食物繊維

食物繊維は腸内環境の改善と免疫力の向上に必要不可欠な栄養素です。

食物繊維の働きにより善玉菌が増えるので腸内環境を整えるのに役立ち、水分を含んで体内の有害物質を運んでくれる働きや便のかさ増しにもなるため、便秘解消に効果があります。にきびや肌荒れの原因である老廃物が体外に出ることによる美肌効果も期待できます。特に便秘は大腸がんや肌荒れのもととも言われていますから、体内の老廃物や有害物質を絡めとりながら排出してくれる食物繊維の働きは嬉しいですね。

特に便秘によってニキビができる場合は多々あります。これは腸内に悪玉菌が増えることで体内に残った老廃物の排出を妨げてしまうため、老廃物から出た毒素が血液に溶け出して全身を巡ることで肌の表面にも異常として現れることによります。

 

カリウム

カリウムは体中の水分代謝を促進し、老廃物や余分な塩分・水分を体外に排出してくれます。そのためむくみ解消やデトックス効果に期待ができるほか、高血圧による心臓病や脳卒中などの予防に効果的とされています。そのほか、筋肉や神経の動きをコントロールする、血圧を下げると言った働きをしています。

また、血中のナトリウムが多くなるとそれを薄めようと体が自然と水分を欲するのですが、水を大量に飲んだ結果、血液を送り出す心臓に負担がかかりやすくなってしまいます。そうすると心臓の動きが激しくなり高血圧の原因となってしまうわけですが、ナトリウムの排出を促すカリウムの効果により自然と排出することで心臓への負担を減らすことができるというわけです。

 

カルシウム

カルシウムは骨や歯の生成に必要なものとして広く知られている必須ミネラルです。カルシウムのうち99%は骨と歯になり、残りの1%は血液等の体液や筋肉などの組織に存在しており、この1%が出血を止める・筋肉運動などの生命の維持や活動に重要な役割を担っています。また、血中のカルシウム濃度が下がるとイライラしたり集中力が低下するなどの弊害も起こるため、普段からしっかり摂取しておきたい栄養素です。

エネルギーの代謝や血圧・筋肉の収縮、神経の働きなど私たちの身体に深く関係しているほか、お肌の角質を生成する際にカルシウムが必要になります。カルシウムが不足することで肌の代謝が落ち込むと古い角質がとどまり、くすみやシミ、シワの原因になります。また、肌細胞の密着力を高めることで外からの攻撃(紫外線や冷気など)をブロックする役割や、肌のうるおいを保つために必要な細胞間脂質の生成を促す働きもあります。

 

鉄分

鉄分は血をつくることで貧血予防などに効果があることで非常に有名ですが、鉄分は約70%が赤血球を作るヘモグロビンの成分になっています。そして残りの約25%は肝臓などに蓄えられています。ヘモグロビンは、酸素を肺から身体中に運ぶ重要な働きをしています。そのほか、疲労回復やカルシウムと同じく歯や骨を丈夫にする働きがあります。

女性であれば生理の際に一時的に貧血気味になりフラつく経験をしたかたも少なくないかと思います。ダイエットなどを意識するあまり菜食中心の生活にまってしまうと知らずのうちに鉄分は不足しがちに。鉄分が不足すると頭痛やめまい、疲労・倦怠感など、酷い時には動悸・息切れ・めまいなど身体的異常が多く現れます。そうならないために鉄の吸収を促すビタミンCなどとあわせて意識的に摂取することで鉄分不足にならないよう気を付けましょう。

 

葉酸

葉酸はビタミンB群の仲間で、細胞を作る時に必要となるDNA等の核酸を合成する役割を担っていて、別名『造血のビタミン』と呼ばれています。

このため貧血気味の方や妊娠中の女性とともに胎児の正常な発育にも関わってくる栄養素です。また、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患予防や、粘膜を健康に保ったり、ガンの予防をしたりと様々な効果が研究の結果、見つかっています。

葉酸が足りなくなると口内炎や下痢、胃潰瘍などの原因になったりしますが、逆に取りすぎると発熱、じんましんなどの葉酸過敏症を起こしたり、亜鉛を吸収しにくくしたりすることがあるため注意が必要です。

 

ビタミンA

ビタミンAは粘膜や肌の生成を活発にする働きや抗酸化作用もあるため、肌荒れやかさつきの改善、口内炎などの抑制などに期待ができます。また、ビタミンAは目の機能を保つ働きがあり、暗がりでも目を見えやすくするためのロドプシンという物質の生成に必要な栄養素です。

天然保湿因子(NMF)の生成を促して肌の乾燥を防いでみずみずしい美肌へ導いてくれる他、老化の原因である活性酸素はタンパク質や脂質を酸化させ動脈硬化などの生活習慣病を引き起こしますが、ビタミンAやCは活性酸素の増加を防ぎ、若々しい肉体の維持に役立つ栄養素でもあります。

 

ビタミンB群

ビタミンB群はそれぞれの栄養素が協力しあって効果を増強していきます。

ビタミンB1…糖質からエネルギーを生み出したり、皮膚・粘膜の維持を助ける働きをする。脳神経系の働きを助ける。

ビタミンB2…たんぱく質・糖質・脂質を体内でエネルギーにする。

ビタミンB3…皮膚や粘膜の健康維持をしたり、たんぱく質・糖質・脂質から、細胞でエネルギーを生み出す際に働く酵素を補助する。

ビタミンB6…たんぱく質からエネルギーを生み出し、血液や筋肉などが作られる時に働きかける。

ビタミンB12…赤血球の中のヘモグロビンの生成を助ける。脳からの指令を伝達する神経を正常に保つ。

 

ビタミンC

ビタミンCは、高い抗酸化作用があるほか、コラーゲンの生成を促して美肌効果に期待が持てるだけでなく、血管や骨・筋肉といった体組織を作るうえで必要不可欠な栄養素です。さらに現代はストレス社会と言われるほど心身ともに負担がかかることが多いですが、ビタミンCには抗ストレス作用があることでも注目されています。ストレスを感じることによって分泌されるアドレナリンによって体内でエネルギーを作り出す働きが起こり、それによってストレスに対抗するわけですが、ビタミンCはこのアドレナリンの生成も助ける作用があるため、ストレスによる肌サイクルの乱れを抑制することができます。

 

ビタミンE

ビタミンEは別名、若返りのビタミンと呼ばれます。ビタミンEには抗酸化作用があり、身体の中に存在する脂質の酸化を防いでくれる働きがあります。リンパ液が正常に流れることで新陳代謝があがり、体内に毒素が溜まりにくい状況をつくりだすことができます。

活性酸素が過剰に発生してしまうと細胞膜の酸化によって老化が進行し、シワやシミを始めとした肌トラブルが起こりやすくなりますが、そういったことを防ぐ働きのほか、血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の酸化が影響する動脈硬化などの予防効果が期待されています。

 

辛み成分のシニグリンにはこんな効果が!

クレソンのピリッとした辛みはシニグリンという成分によるものです。ワサビや大根などにも含まれている成分で、肉の脂肪の消化を助け、食欲増進、胃もたれの解消などに効果のあるせいぶんです。また、殺菌作用が強いので、口臭や体臭を予防したり、発ガン性物質を無毒化してくれる働きもあります。

そのほかにも血行促進作用、保湿作用、皮膚細胞を活性化させる作用もあるので、肌荒れ改善、デトックス効果によるアンチエイジング、発毛・育毛促進にも効果的。