みなさんはケールという野菜をご存知でしょうか。ケールは地中海沿岸で採れるキャベツの原種でアブラナ科の野菜です。見た目もキャベツに似ていて大きな葉を持つのが特徴ですが、キャベツのように葉を巻いて丸くはなりません。キャベツやブロッコリーなどはケールを品種改良してできた野菜です。ケールは言わば、それらのご先祖様ということですね。

普段私たちが口にする身近な野菜に比べ、栄養が豊富に含まれており『野菜の王様』とも呼ばれます。青汁の原料としてすっかり有名になったケールですが日本では北海道から沖縄まで、全国各地で1年中栽培されています。野菜のなかには品種改良によって食べやすくなっている一方で本来持つ栄養が失われてしまっていることが多いです。

一方、ケールは品種改良などは積極的にされず豊富な栄養素を摂取するにはもってこいの野菜ですが、そのかわり独特の苦みと青臭さにかなりクセがあり、食用にするには難しい野菜です。サラダなどで美味しく食べることはまず無理でしょう。そのため、ケールに含まれる豊富な栄養素を損なわずに摂取する方法として粉末状にしてドリンクなどに含む方法、つまり青汁の原料として利用されることが多くなったのです。

ケールってどんな野菜?何に期待できるの?

ではケールが栄養豊富なのが分かったところで、ケールは実際にどんな栄養が含まれていて、それがどんな効果に期待ができるのか詳しく見ていきましょう。

まず、ケールには動脈硬化の予防や免疫力の向上(風邪をひきにくくしたり、ストレスに負けない身体をつくる)、ガンの予防、肌の乾燥、視力の回復などに効き目があるとされています。

ケールにはビタミン・ミネラル・カロチン・カルシウム・鉄・リン・葉緑素(クロロフィル)・食物繊維などが豊富に含まれています。それぞれの栄養素について簡単に詳細をまとめておきます。

 

ビタミンA

ケールに豊富に含まれるベータカロテンは体内で必要に応じてビタミンAへと変化します。その量はキャベツの29倍とも言われています。

私たちの身体の老化の原因となるのは活性酸素の過剰な生成によるものが大きな原因として挙げられます。活性酸素はタンパク質や脂質を酸化させ、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こします。ベータカロテン(ビタミンA)の強力な抗酸化作用によってこうした活性酸素の増加を防ぎ、見た目を若々しく保つだけでなく、口内炎、心臓疾患、動脈硬化、がんの予防などにも期待ができます。これらの働きは脳に蓄積された活性酸素にも効果があるため、勉強や仕事などで酷使した頭をリフレッシュするのにも役立つでしょう。

また、ビタミンAには目の機能を正常に保つ働きがあり、暗がりでも目を見えやすくするためのロドプシンという物質の生成に必要不可欠な栄養素でもあります。

 

ビタミンC

ケールに含まれるビタミンCはキャベツに比べて2倍ほどだと言われています。ビタミンCには抗ストレス作用があると言われていますが、その働きはまずストレスを感じることで体内ではアドレナリンが分泌され、アドレナリンの効果によって体内にエネルギーを作り出す働きが起こり、それによってストレスに対抗しようとします。ビタミンCはこのアドレナリンの生成も助ける作用があるため、昨今のストレス社会に晒される私たち現代人にとってはとても心強い栄養素です。

ビタミンCにも高い抗酸化作用と白血球の働きを促進する効果があるため、ベータカロテンと競合して免疫力の向上や病気の予防効果に期待ができるほか、コラーゲンの生成を促して肌の機能を高めることによる美肌効果にも期待が持てます。また、血管や骨・筋肉といった体組織を作るうえで必要不可欠な栄養素です。

ビタミンCの特徴として非常に壊れやすく、加熱することで得られるビタミンCの量が激減してしまうほか、水溶性のためすぐに尿と一緒に体外へ排出されてしまうという注意点があります。そのためビタミンCの効果を実感するには毎日欠かさず摂取することが大事になってくるため、手軽に補給できるドリンクタイプが重宝するというわけですね。

 

ビタミンK

ビタミンKにはビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン)の2種類があり、効果はどちらも同じです。

ケールの場合は主に植物の葉緑素で生成されるビタミンK1が豊富に含まれており、ビタミンKは血液の凝固と健康な骨を作るための働きを担っています。例えばケガをした際に自然と血が固まってかさぶたになるのは、血を凝固させるためのタンパク質の働きによるものですが、この際にビタミンKの働きが関わってきます。また、血を固めるだけでなく逆に血管を流れる血液に対してはスムーズに流れるように凝固を抑える働きもしています。

骨に対しては腸から吸収されたカルシウムを骨に正常に取り込む働きを助ける役目があり、骨粗しょう症の治療薬としても実際の使われています。

このビタミンKが足りなくなってしまうと、ケガをした際に血がなかなか止まらない(凝固しない)ことや鼻血が出やすくなったりと体への異常が見られます。また、骨に正常に栄養素が行き届かなくなると骨粗しょう症の原因にもなります。

 

食物繊維

食物繊維はご存知の通り腸内環境の改善にとっても役立つ栄養素ですが、実は免疫力の向上にも密接に関わりがあるのはご存知でしょうか。

まず食物繊維の働きによって腸内の善玉菌が増えることで腸内環境を整える働きを助けます。また食物繊維はその名の通り繊維状のものですから、水分を含んで体内の老廃物や有害物質を絡めとって一緒に運んでくれる働きがあります。この絡めとられたものは便と共に体外へ排出されるわけですがこの際、便のかさ増しにもなり便秘解消にも効果があります。便秘は万病の元と言われるほど深刻な悩みですよね。体内に老廃物や有害物質が長く溜まることで代謝が悪くなり結果、疲労物質も溜めこんでしまいがちになってしまいます。また、毒素が血液中に溶け出して全身を流れることで気になるニオイの原因になったり肌のハリがなくなる、シミやシワが目立つなど見た目にも悪影響を及ぼすため、健康な身体作りをするうえでは必ず意識して摂取しておきたい栄養素のうちの1つです。

また胃の中で水分を含むと膨らむため、満腹感を得られることで食べ過ぎを抑制できたり、糖質や脂質の吸収をゆるやかにするため血糖値の急上昇を抑えたり血中コレステロール値を下げる働きがあります。老廃物同様、水に溶けたゲル状の食物繊維は余分な脂肪を一緒に体外へ排出する働きもあるため、糖尿病や肥満など生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

 

カルシウム

カルシウムは言わずと知れた、骨や歯を作る上で欠かせない大切な栄養素です。分かりやすい例としては牛乳や魚の骨といった乳製品や魚介類に多く含まれることで知られていますが、実は野菜にもカルシウムは多く含まれています。実はカルシウムは骨や歯を作るだけでなく、脳のはたらきを良くする効果もあります。血中のカルシウム濃度が下がるとイライラしたり集中力が低下するなどの弊害も起こるため、普段からしっかり摂取しておきたい栄養素です。

ケールにはカルシウムがキャベツに比べて3.5倍も含まれているため、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンKと同時に摂取することで相乗効果に期待できるのも嬉しい点です。

 

葉緑素(クロロフィル)

ケールに豊富に含まれる葉緑素(クロロフィル)には抗菌・消臭作用があるため、口内環境の改善や腸内の環境の改善に期待ができます。

口内環境の改善例としては虫歯や歯槽膿漏の予防が挙げられますが、これらは常に口内を清潔に保っておくことで防ぐことができます。もちろん日々の歯磨きなどのケアは大前提ですがそれを手助けしてくれるのがクロロフィルの抗菌作用です。身体のなかからも作用することで口内の雑菌の繁殖を防いでくれるので虫歯対策や朝起きた際の口の中のネバつき、嫌なニオイの対策にはもってこいです。

また、クロロフィルにはデトックス効果があることも知られています。食物繊維の働きによる腸内環境の改善とあわせて体内の毒素を排出することで健康な身体づくりをサポートしてくれる栄養素です。

 

その他の成分

そのほか、ケールには別名『若返りホルモン』と呼ばれるメラトニンが多く含まれています。メラトニンは睡眠の質を良くしてくれるホルモンで私たち人間が寝ている間に脳からも分泌されるものです。メラトニンがしっかり働くことによって快眠することができれば体がしっかり休むモードに切り替わるため、疲労回復やストレス解消などに大きく貢献します。また、活性酸素の除去や免疫機能の向上のほか、老化物質の生成を抑制するなど多くの効果があります。

 

まとめ

野菜の王様ケールは普段の食事で摂取する機会はあまりないでしょう。大半は青汁や野菜ジュース、栄養補助剤などに含まれているものです。

しかし上記のような豊富な栄養が含まれているケールは日頃から意識して摂取したい野菜であることは間違いありません。

手軽に美味しく飲める青汁で積極的に補給するようにしましょう。

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