今回、注目する植物は熊笹(クマザサ)です。そう、みなさんもよくご存じのあの笹です。

七夕でも『笹の葉さらさら~♪』と歌われていますし、パンダもおいしそうにかじっていますよね。あの笹も実は青汁の原料になっているんだって知っていましたか?

まだ知名度こそ低いですが、熊笹にも身体に嬉しい健康成分がいっぱい入っているんですよ。

今回はそんな熊笹について見ていきましょう。

熊笹ってどんな植物?

熊笹(クマザサ)はイネ科のササ属の植物で北海道から、鹿児島県まで日本全国に幅広く自生しているとても身近な植物です。

昔は料理の飾りつけなどに使われることが多く、ちまきなどを巻いているあの葉っぱも熊笹だったんですよ。これは熊笹の葉に殺菌作用があるためなんです。しかし今となっては食材を巻くために使われているのを見ることは少なくなりましたが。

熊笹と呼ばれる理由は葉っぱのフチがが白くなっている様子が、歌舞伎役者がする特徴的な化粧である『隈取り』のように見えることから名づけられたと言われています。クマはクマでも隈取りのほうが語源だったんですね。

熊笹は昔から民間薬として親しまれてきました。クマザサの葉に含まれる殺菌、防腐作用から外傷や火傷の手当、口臭・体臭を消すために使われるのを始め、糖尿病、風邪、喘息、高血圧など多くの病気に効果を発揮します。

また、食物繊維が豊富に含まれています。そのことからクマが冬眠前や冬眠後に胃腸の働きを整えるために食べると言われています。ちなみに私たち人間の胃ではとても消化しづらい植物なのでそのまま食べることはできません。

まさに隈笹でもあり、熊笹でもあるというわけですね。

 

熊笹に含まれる成分とその働き

熊笹にはビタミンやミネラル、葉緑素(クロロフィル)のほか、バンフォリンという笹特有のササ多糖類などが豊富に含まれています。なかでも、リグニンという食物繊維と葉緑素(クロロフィル)が他の青汁より多いのが特徴です。

以下に熊笹に含まれる成分によって期待できるさまざまな効果をまとめてみました。1つずつ見ていきましょう。

 

免疫力の向上

熊笹に豊富に含まれるビタミン類や葉緑素、アラビノキシランというイネ科の植物に含まれる成分には強い抗酸化作用があります。同時にバンフォリンというササ多糖類には細胞を修復する働きがあり免疫力の向上に効果があることが確認されています。

この働きにより体のなかで増えすぎた活性酸素の酸化を防いでくれるため疲れにくい、風邪に負けにくい丈夫な体をキープするのをサポートしてくれます。また、口内炎や生活習慣病の予防、がんの予防などにも効果を発揮するため、普段から身体のトラブル・病気にかかりにくくなる効果にも期待が持てます。

現代人は普段の生活リズムや食事の栄養バランスが乱れがち。疲れやストレスなども相まって何かと免疫力が下がりやすいため意識的に免疫力の向上が期待できる栄養は補給していきたいですね。

 

口臭・体臭の予防

熊笹に豊富に含まれる葉緑素には強い殺菌・抗菌作用があります。この強い抗菌作用のおかげで口腔内の粘膜や肌の表面に働きかけ、消臭効果が期待できます。

ニオイというのは自分ではなかなか気づきにくいもの。体臭というとワキガのような体質的なものをイメージしがちですが、私たちの身体からのSOS信号としても発せられるものです。特に便秘などで体内に毒素が残っている場合はそれが血液中に溶け込み、全身を駆け巡ることで毛穴からイヤなニオイを発することも多くあります。また、ビジネスマンは1日中歩き回ったあとのイヤな足のニオイに困っているという人も少なくないのでは?こうしたニオイの発生原因の1つは足の裏から出ている汗が雑菌と混ざり時間が経つことで強烈なニオイを発するのですが、雑菌の繁殖も抑えてくれるため、こうした悩み事の軽減にも期待ができます。

気になる口のニオイも毎日しっかり歯磨きをしていても、口が乾きやすいなどの口内環境によって雑菌が繁殖しやすくニオイが発生してしまうことは少なくありません。舌についた汚れが原因ということも多いですね。こうした悩みにももちろん、効果は抜群。人によってはすぐに効果を実感できる場合も。

 

貧血の予防

貧血と言っても実は、赤血球の数の減少と共に赤血球1個あたりに含まれるヘモグロビンも減少する「小球性低色素性貧血」と、赤血球そのものの数が減少する「正球性正色素性貧血」の2種類があります。 葉緑素には赤血球に含まれるヘモグロビンの働きをサポートする働きがあるため貧血予防に効果が期待できます。

熊笹には血をつくるための栄養素である葉酸が熊笹100gあたり280μg含まれていて、これは生のキャベツの3倍以上に相当します。また、同じく血をつくるうえで欠かせない鉄分も熊笹100gあたり3.76mgほど含まれており、これは鉄分豊富と言われているほうれん草の4倍以上に相当します。

鉄や葉酸も普段の食事だけではなかなか摂取しにくい栄養素なので意識的に摂取することが求められますが、レバーなどクセのある食材はなかなか食べづらいという人も多いのではないでしょうか。また、女性は生理によって急激に血液量が減少することで貧血症状に苦しめられることもあるのではないでしょうか。これは妊娠中のお母さんもお腹の赤ちゃんに栄養をたっぷり与えてあげることで自身が栄養不足になってしまうことでも起こります。こうした予防のためにも普段からしっかり血をつくる栄養素は取り入れていきたいですね。

 

動脈硬化の予防

血圧の急激な上昇や喫煙による血管の収縮、高脂血症などにより、動脈の内膜にコレステロールなどの脂質が溜まっていきます。これが原因で動脈の内腔が狭くなっていくのが動脈硬化のメカニズムですが、熊笹に含まれる豊富な食物繊維やフラボノイド、リグニンには血中のコレステロールを絡めとりながら運んでくれる効果があり、動脈硬化の予防になると研究の結果でわかっています。

また、悪玉コレステロールの吸収を抑制する働きもあるため、そもそも血中にコレステロールが溜まらないようにしてくれるという予防的な働きも同時にしてくれます。同時に細胞を活性化させることで急激な血圧の上昇を抑える働きもあります。

豊富に含まれるビタミン・ミネラル類も相まって血液をサラサラにしてくれるため体内の毒素の排出にも効果があるため動脈硬化の予防以外にも、むくみの改善や冷え性の改善などにも同時に期待がもてます。

 

便秘改善・整腸作用

熊笹には安息香酸(あんそくこうさん)という物質が含まれており、胃や腸の中でピロリ菌が増殖するのを抑えてくれます。普段からお腹をこわしやすいという人は胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌や黄色ブドウ球菌が繁殖していることが多いですが、普段からピロリ菌に対抗する状態を整えておくことで胃腸の荒れを予防することができます。また、ササ多糖類には傷ついた胃粘膜を修復する働きがあるます。これらの働きによって急な腹痛や口臭のもとになったり、胃もたれをしてせっかくの食事も美味しく感じられないなど多くの問題を起こす原因を根本からやっつけることができます。

また、便通もよくなるため便秘改善にも大きな効果を発揮します。熊笹に豊富に含まれる食物繊維の働きによって腸内の善玉菌が増えることで腸内環境を整える働きを助けます。食物繊維は水分を含んで体内の老廃物や有害物質を絡めとって一緒に運んでくれる働きがあり、この絡めとられたものは便と共に体外へ排出されるため体内の毒素を排出するデトックス効果にも期待がもてます。

また胃の中で水分を含むと膨らむため、満腹感を得られることで食べ過ぎを抑制できたり、糖質や脂質の吸収をゆるやかにするため血糖値の急上昇を抑えたり血中コレステロール値を下げる働きがあります。老廃物同様、水に溶けたゲル状の食物繊維は余分な脂肪を一緒に体外へ排出する働きもあるため、糖尿病や肥満など生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

 

熊笹には副作用などはあるのか

ここまで豊富な栄養を含んでいる熊笹ですが、一部のひとには注意が必要です。

まずイネ科の植物にアレルギー反応が出るかたは摂取を控えてください。かゆみや湿疹など表面上に現れる症状のほかに酷い場合は吐き気、頭痛、めまいなどの症状が現れることもあるため、気になる場合は事前に必ずかかりつけの医師に相談してください。

また、血栓症の治療を行っている場合も要注意です。ワーファリンという血液を凝固しにくくする薬を飲んでいる場合、熊笹に含まれるビタミンKの血液を凝固させる働きがワーファリンの効果を弱めてしまう可能性があります。この場合もできれば摂取は控えたほうが良いですが、気になる場合はかかりつけの医師へ相談を。

また、アレルギーなどを持っていない場合でも多量に摂取することで一時的にお腹が緩くなって下痢をすることがあるため、くれぐれも用法・容量を正しく守って摂取してくださいね。多く摂ったからといってすぐに効果が出るわけではありません。毎日コツコツと飲み続けることが大切です。

 

関連記事